メロンさん⑯王様のレストラン
メロンさんとお付き合いすることになった。
その旨を、LINEでピーチさんに告げた私。
その日の深夜に返ってきたピーチさんからの最後の返信。
そこには二人の思い出が、ピーチさんの視点で事細かに綴られている。
そして最後はこう締めくくられていた。
「出会ってくれて本当にありがとうございました」
「本当に幸せになってくださいね」
たぶん、私の人生で最も感情を揺さぶられたであろうラブレターだった。
目を通し終わると、情けないことに目頭が熱くなっている…
いったい何様のつもりか。
分不相応にお断りした女性からの返信で、無様に泣く男…
当然のように、もう二度と連絡することはない。
自分でも全く想像していなかったほどの虚無感が私を襲うのだった。
結局その日は眠りにつけず、そのまま月曜日の朝を迎えることに。
もちろん仕事は待ってくれない。
疲れた体に活を入れつつ支度をしていると、メロンさんから「おはよう」のLINEが届く。
そうだ。
私にはとても可愛らしい彼女が出来たばかり。
浮かれこそすれ、落ち込むいわれはない。
そう気持ちを切り替えて仕事へと向かう。
この日から約三か月、メロンさんとの交際を続けることになる。
そして、終わりの時は実にあっけなくやってくるのだが。
それはまた、別の話。