身の程をわきまえろ!男タカシのアラフォー婚活ブログ

ネット婚活でも意外と何とかなる!?婚活日記

続・リンゴさん⑯彼女の過去

「ううん、謝らないで」
「私のこと、少しでも考えてもらってるだけで嬉しいよ」
こっちこそゴメンね、襲わないって言ったのにね。
困った顔を浮かべる私に対し、そう笑うリンゴさん。
うん、彼女の方がずいぶん大人だよね。


相変わらず居たたまれない思いの私を察してくれたのか、「ゲームしよう♪」とTVを付ける。
それからしばらく、何事もなかったかのようにテレビゲームに興じる彼女を眺めていたのだが。
(そろそろ決断しなきゃいけないよな)
そう思った私は、これまで避けてきた話題へと踏み込んでみることにしたのだった。


「シングルマザーになった経緯とか、聞いてもいい?」


一瞬驚いたような顔をしたリンゴさんだったが、すぐに真顔になって答えてくれた。
「全然ドラマチックな話じゃないんだよ」
改めてコーヒーをついでくれた彼女は、私の正面に座り直してから淡々と話し出す。
彼と出会ったのはもう5年以上前。普通のサラリーマンで3年ほど付き合っていたと。
そして、子供が出来た。
当然リンゴさんは結婚するつもりだったが。


「彼はそうじゃなかったんだよね」
「私、ただの浮気相手だったの…」


そう寂しそうに話す彼女の言葉を、私はただ黙って聞いていた。
で、おろすおろさないの話になって。
ちょっとのお金だけ渡してきて、彼はそのまま逃げ出してしまったようだ。
そうして残されたリンゴさん。
悩んだ末に「生んで一人で育てる」そう決意したという。そんな話だった。


「男を見る目、ホントないよね」
「でも私、後悔はしてないよ」


微笑みながら最後にそう付け加えた彼女は、目覚めた愛娘の元へと静かに向かっていったのである。