なりゆきで。
まさにそんな表現がピッタリの展開である。

今から思えば、本当に愚かだった。
他にイイなと思える女性が居ない状態だったのならば、もちろん何の問題も無い。
むしろ奇跡的な幸運に、ただ酔いしれれば良かっただけだ。

しかし。
その時はピーチさんがいたのに。
とても可愛らしく、とても素直で、とてもフィーリングの合う女性。
結婚生活を妄想するのに、何の不満もなかった女性。
そんな女性がいたのにな…

こんな女々しすぎる後悔をすることになろうとは、露ほども考えなかった私。

そのまま二人でホテル街に向かう。
この辺りに来るのは本当に久しぶりだ。
さて、どこに入ればいいんだろう。

初めての夜に、行ったり来たりするのはさすがにみっともないか。
しょうがない。
少し高めだけど、何度か使ったことのあるところが無難だよね。
そう考えて、辺りでは一番高いと思われるホテルへ。

するとメロンさんからこんな言葉が。

「ここ、綺麗でホント良いよね」
「食事も意外と美味しいんだよ」

うん、その台詞は要らなかったんじゃないかな。
心の中で、そうつぶやく私だった。

ちなみに。
お付き合いを始めた女性と初めて一晩をともにするのはいつ頃がイイか。
これはなかなか難しい問題のように思う。

普通の恋愛であれば、だいたい「次に会った時」が一般的のような気がする。
「その日の内に」だと、それ目当てでしょとなりかねないし。

しかし、これがこと婚活での出会いとなるとややこしい。
とりあえず付き合ってみて様子を伺う。
そんな気持ちでお付き合いを始める女性が多いように思えるからだ。
まだ心から気を許しているわけでもなく、当然自宅やホテルに誘うような雰囲気にはならない。

メロンさんのようなパターンは例外中の例外。
そういうことなのだろう。