メロンさん⑭罪悪感
中川翔子さん似の美少女で、一回り近く歳の離れた28歳のメロンさん。
出会ってからまだ一週間しか経っていない。
日曜日にお茶をして、木曜日に食事を。そして土曜日の初デート。
それが、なし崩し的に付き合おうとなって、そのまま一晩を過ごすことになろうとは。
まるで若い頃の合コンのような展開だ。
ラッキー。そんな一言で済ますのは如何なものか。
婚活としてはあまりに軽すぎる。
そもそも私は、メロンさんのことをまだ全然分かっていないのに。
そんな当たり前の思考など、アルコールの入ったホテル街では働くべくもなかった…
明け方に眠りにつき、チェックアウトの10時を少し過ぎる慌ただしい朝を迎えた私達。
やや冷え込む街を寄り添うように歩きながら、近くのカフェで軽い朝食をとることに。
「タカシさんの家へも行ってみたいな」
「意外と料理得意なんだよ、今度作ってあげる」
そんな付き合いたてのカップルっぽい会話をしながら、こうして夢のような一日は幕を閉じた。
駅でメロンさんと別れた帰り道。
ピーチさんになんて連絡しようか。
そのことを考えると、浮かれた気分は一気にしぼみ、とめどもない罪悪感にさいなまれる私であった。