後輩に紹介されたバナナさん。
35歳から婚活を始めてもう5年近く経っており、自称「婚活マスター」だそう。

まぁお世辞にも美人さんとはいえないが。
（ごめんなさい…）
それでも。話をしていて気取らずに済んだし、普通に楽しく会話が弾む。
笑顔がチャーミングな女性は、それだけで魅力的に映るものだ。

そして何より。
結婚を強く意識している彼女。
メロンさんショックを少なからず引きずっていた私にとっては、「またお会いしてみたいな」そう素直に思える女性であった。

お酒はよく飲むというバナナさん。
特にワインには目が無いと。
「好き嫌いもないよ」ということだったので、一度行ってみたいと思っていた新宿のオイスターバーにお誘いしてみる。
喜んで。
そう快諾してもらい、次回の食事が決まった。

それからも一日に何度かＬＩＮＥのやりとりを続けていくと。
上手く言えないが、ちょうどいい案配で心地良い。
こういう日常のコミュニケーションに違和感を覚えないのは、やはり大切なことだよね。
（メロンさんと無理してＬＩＮＥを続けていたが故に、余計そう思うのかもしれないが…）

当日を迎えて、バナナさんと初めての食事。
いや、ホントによく飲む。そしてよく食べる…
「何これ、美味すぎる！」
そう言いながら、おススメの牡蠣は端から端まで全て注文せんばかりの勢いだ。

相手に合わせて無難に過ごす。
婚活で出会った女性はそういう人がほとんどだったが、バナナさんはちょっと違った。

「いや、全然婚活マスターじゃないじゃん…」

笑顔でそうツッコミを入れつつも。
でも、なんて幸せそうに食事するんだろう。
そんな風に思える彼女の印象は、けっして悪いものではなかった。

ルックスもスタイルも抜群だったメロンさん。
そういう比較では、バナナさんはだいぶ違う。
しかし。
結婚するなら外見よりも、フィーリングが合うかどうかだよね。
目の前のバナナさんを眺めつつ、やっぱりこういう女性の方がいいのかもしれないな。
改めて、そんな風に思えた私。

そうして、彼女と付き合うことを意識し始めるようになったのである。