バナナさん③結婚に向いてない
後輩に紹介されたバナナさん(39歳)。
最近の佐藤仁美さん似で元気な女性。
初対面でいきなり炸裂したマシンガントークに驚くが、彼女も少しずつ落ち着いてきたようだ。
そうなると、人見知りをしない二人。
その後は楽しく会話が盛り上がる。
「タカシさんは顔も性格も全然良くないよ」
そんな事前情報を伝えてくれる後輩の優しさ?により、期待のハードルがずいぶん低かったのか。
バナナさんは実に嬉しそうである。
「こんなに素敵な人だとは全然思わなかったー」
「奥さん(友達)に文句言っておくね」
反動で私の評価がドンドン上がっていくバナナさん。
いやいや、あんまり持ち上げると後悔するよ。基本はダメ人間だから。
そう釘をさす私。
私はいわゆるワーカホリック気味なところがある。
もうイイ歳なので一応偉そうな肩書も付いてはいるが。そんなの関係ない。
自分が面白いと思った仕事にはつい没頭してしまうため、平日は午前様が平常運行である。
そして、それが全然苦ではないから始末が悪いようだ。
また、一人で静かに読書をするのも好き。
メロンさんと付き合っていた頃は、金曜日の夜に泊まりにきて日曜日の夜遅くまでずっと一緒。
ほぼ48時間ずっと一緒に過ごしていた。
もちろん楽しい気持ちはあるのだが「たまには一人でゆっくりしたいな」というのが正直なところだったのである。
そんな私は、後輩に言わせると「結婚生活に向いてるとは思えない」らしい…
バナナさんにはそういった話も正直にしてみたのだが。
「全然問題ないよー」
「むしろ私も一人の時間が欲しいから嬉しいくらい」
そんな明るい返答が返ってくる。
うん、有難いよね、ホント。
そうして徐々に打ち解けていく二人。
まぁお世辞にも美人さんとはいえないし、第一印象もけっして良くはなかった。(ごめんなさい…)
それでも話をしていて気取らずに済んだし、単純に楽しいと思えるバナナさん。
結婚するならこういう女性の方がいいのかもしれないな。
「良かったら、是非またお会いしましょう」
そんなフレーズに、満面の笑みで応えてくれる彼女。
次回食事に出掛ける約束をしたところで、無事に初対面を終えたのであった。