身の程をわきまえろ!男タカシのアラフォー婚活ブログ

ネット婚活でも意外と何とかなる!?婚活日記

バナナさん⑪最低の温泉旅行

すっかり冷めた目でバナナさんを眺めてしまう私。
夕食までも、まだまだ時間は有り余っている…


もうこれ以上、彼女と話したくないな。
そう思ってしまった私は、一旦その場を離れることにした。


「ゴメン、ちょっと温泉入ってくるわ」


そう言って大浴場に向かう。
せっかく露天風呂付きの客室を選んだのに。
さすがにこの状況で、一緒にお風呂に入ろうなどとは思えない。


私は、場の空気が悪くなるのが本当に苦手だ。
だから自分一人で我慢して収まるならば、基本そうしてしまう人間である。
故に、旅行先で彼女と喧嘩したことなど(多分)一度もないはずだったのだが。


ふー、なんでこうなるかね。
楽しい温泉旅行のはずが、湯船に浸かりながら深いため息をつく羽目になろうとは…
ホントにまいった。
まだまだこの先は長いし、いまさら彼女とどんな会話をしたらいいのか分からない。


うーん、もう帰っちゃおうかなあ。
急用が出来たとか言って。
そんなことも本気で考えたものである。


部屋に戻りたくない一心で、長々とお風呂に浸かっていると。さすがに頭がぼやけてくる。


「あーあ、喜んでもらえると思ったのになぁ」


そんな自分勝手な独り言まで出てしまう始末。
今思い返せば、思いやりに欠けて自己中心的すぎたかなと反省してみるものの。
当時はただただ、バナナさんの反応に嫌気がさしてしまっていたのだった…


もうどうでもいいや。
この後は適当に過ごして、それで彼女とはサヨナラしよう。
そんな風にやさぐれながら部屋に戻ると、バナナさんはそのまま残っていたようだ。


「せっかくだし温泉でも入ってくれば」


出来るだけ一緒に居たくない私はそう話しかけたのだが。


「さっきはゴメンね…」


消え入りそうな声でそうつぶやくバナナさん。


「私のために予約してくれて、こんなに素敵な旅館に連れてきてくれたのに」
「私、ホント馬鹿なこと言っちゃった」
「怒ってる…よね?」