バナナさん①佐藤仁美さん似の女性
メロンさんとの交際にあっさりと幕を下ろし、また一から出直しになってしまった私。
一旦退会していた『ブライダルネット』に再び登録することに。
再開後、まずは年齢からすぐにピーチさんを検索してみる。
女々しい男でホント申し訳ない。
しかし。
残念ながらというか、当然というべきか。既にピーチさんはサイトには残っていなかった…
まぁそうだよね。
そう気持ちを切り替えて、とりあえずバンバンとあいさつを送り始める。
そんな風に私の婚活ライフ<第二章>を始めた矢先のことだった。
「えっ、婚活なんてしてるんですか!?」
「タカシさんは結婚に向いてるとは思えないけどなぁ」
お酒の席で、そう大袈裟に驚く後輩くん。
うるさい。別にいいだろ。
ってか、結婚に向いてないって何だよ。
その時はたしか、そのくらいで終わっていたのだが。
後日、これがきっかけになって一人の女性を紹介してもらうことになる。
バナナさん(39歳)。
後輩の奥さんの友人で、永らく婚活を続けている女性らしい。
奥さん曰く、「本当にイイ人」と。
婚活を始めてから、毎週土日は予定がパンパンに詰まっていた。
毎日のように誰かしらと会って、お茶をして食事をしてデートに出掛ける。
そしてメロンさんと付き合うようになってからも週末はほぼ一緒に居た。
そんな生活を続けていた私は、(疲れたというよりも)何もない週末に寂しさを覚えていたものだ。
「是非紹介したい人がいるんですけど」
そう後輩に相談された私は、せっかくなので一度お会いしてみることにしたのだった。
神奈川にお住まいのバナナさん。
小田急線で彼女の最寄り駅からそう離れていない場所を指定して、トコトコと会いにいくことに。
土地勘も全くないため、いつも通り1時間前には着いてカフェ巡りも。
そうしてバナナさんとの初対面を果たしたのだが…
「えっ、うそ」
「すごいカッコいい人で本当に驚きました」
「私なんかでいいんですかね!?」
「あっ、私バナナと言います」
「今日はよろしくお願いします」
「タカシさんはどこにお住まいなんですか」
出会うや否や、ものすごい勢いで話しだすバナナさん。
いや、元気はつらつで何よりです…
こんな物怖じしない彼女は、女優さんでいうと佐藤仁美さんみたいなイメージだろうか。
近所のクソババア役を演じさせたら日本一?
昔はホントに可愛かったんだけどなぁ。
そんなどうでもいいことを考えながら、カフェへと向かう私達であった。