続・メロンさん④元彼は55歳
メロンさんの誕生日にネックレスを贈った私だったが。
以降、何度デートしても彼女がそれを身に付けてくることはなかった…
40万円程度のバッグも買ってくれない、甲斐性の無い男。
そう幻滅されたのならまだ理解も出来るが、メロンさんの態度に特に変化もみられない。
それならば。一度くらい身に付けてくれてもいいのに。
そんな忸怩たる想いを抱えてしまう私だった…
なんて器の小さい男だろうか。
我ながら情けないなぁ。
そんなある日のこと。
ふとしたことをきっかけにネックレスの話になり、「どうして身に付けてくれないの?」と率直に聞いてみると。
「えっ、会社に行く時とかたまに付けてるよ」
そう不思議そうに答えるメロンさん。
「えっ、気に入らなかったわけじゃないの?」
そう驚く私に「そんなわけないじゃん」と笑顔で返す彼女。
いや、それは有難いし嬉しいけど。
だったら…
いまいち釈然としない私。
こういうのをフィーリングが合わない、とでもいうのだろうか。
たしかに抜群に可愛いし、懸念していた金銭感覚の違いも今のところ大きな問題は感じない。
ちょっとワガママに思える場面もあるが、それは可愛い女性の特権だろう。
それでも…
どうしても彼女と結婚するイメージが沸かない。というのが正直なところだった。
そんなメロンさんに改めて聞いてみる。
「なんで私と付き合おうと思ったの?」
「私、年上の男性が好きなんだ」
「ちなみに前の彼氏は55歳の人だったよ」
55…
さすがに一瞬絶句してしまう。
そんな私を気に掛けることもなく、そこから元カレの話を延々と聞かされるのであった。