続・メロンさん③贈り物は不発
付き合い始めですぐに訪れたメロンさんの誕生日。
まだ28歳。さすがに盛大にお祝いしないと。
そんな風に思ってはみるものの。
メロンさんとはこれまで、お洒落で高級なお店でしか食事をしていない。
これには本当に困ったものだ。
スペシャル感を出そうにも、私ではこれ以上のお店は正直知らない。
仕方ないな。
自分の知る中で一番雰囲気の良いイタリアンを予約しておく。
その際に連れが誕生日であることを伝え、デザートには一工夫してもらうことに。
うん、ほとんど普段の食事と変わらない気もするが、まぁいいや。
そして肝心のプレゼントは…。
ごめんなさい。メロンさんのリクエストには応えられず、15万円くらいのネックレスを選んだ私。
正直リアクションが怖かったものだ。
如何せん金銭感覚の合わない私達。
「何、コレ?」
そんな風になるんじゃないかと。
それならそれで仕方ない。
少しドキドキしながら当日を迎える。
毎度のことながら、当然のように遅れてくるメロンさんを待つこと20分くらいか。
「お疲れ様~♪」
飛び切りの笑顔で現れたメロンさんとともにお店へと向かう。
いつもよりも綺麗な服装で、いつもよりも沢山飲むメロンさん。
こうして眺めていると、本当に可愛いなと改めて思った。
懸念していたプレゼントも、(バッグの話などなかったかのように)とても喜んでもらえてホッとする私。
食事を終えるとそのまま自宅へ向かい、更に楽しい一夜を過ごすのであった。
そう。ここで終わっていれば良い話のはずが…
後日。メロンさんと何度デートしても、私が贈ったネックレスが彼女の首元にかかることはなかったのである…。