付き合ってすぐにやってきたメロンさんの誕生日。

プレゼントは何がいいかと聞いてみると、「このバッグがいいな♡」と答えるメロンさん。
相変わらずピンポイントな返答自体は有難いのだが。
それは40万円以上もする代物だった…

「でも、タカシさんが選んでくれるものだったら何でもいいよ」

笑顔でそう付け加えたメロンさんだったが。
うーん、どうしたものかなぁ。

こんなに悩むくらいならば、そもそも「何が欲しい？」なんて聞いちゃダメ。
そんな当たり前のことはよく分かっている。
分かってはいるが…

例えば結婚指輪とか、これが人生で一度のプレゼントならば何も悩むことなどない。
そういう意味では、付き合って始めての本格的なプレゼントだ。
彼女が欲しいというモノか、出来たらそれ以上のモノを贈りたいと思うのが男の性。

一度はそんな風に考えてみるも…
やっぱり迷う。

金額的に話しにならないというレベルではないものの、私の感覚ではやはり少し高い気がする。
こういうところの金銭感覚が合わないと、遅かれ早かれ別れることになるだろう。
あまり背伸びしない方が良いのではないか。

うーん、本当にまいった。
初回の誕生日プレゼントを贈るのに、こんなに悩んだことはない。
だいたいいつもは、特に何も考えずにネックレスなんかを買ってきたものである。
値段もせいぜい15万円とか、そんなもの。
この辺りの金額帯から（ブランド物でも）ケースが付いてくるので多少見栄えが良くなる。ただそれだけの理由だ。

バッグはデザインセンスの問題が大きいし、何より男がびっくりするくらい高い代物。
故に、バッグをプレゼントした経験などほとんどないというのが正直なところである。
（そういえばだいぶ前に一度、30代の女性に『kate spade』のバッグを贈って大ヒンシュクをかったことがあったっけ…）

頭の中で何周も考えた末に出した結論は、先送り。
とりあえずご希望のバッグはまた改めてということにしよう。
そう決めて、安いネックレスを買ってみることにした私。

出来るだけ雰囲気の良いイタリアンレストランも予約し、いよいよ誕生日当日を迎えるのであった。