昔ちょっとだけ付き合っていた元部下のブドウさん。
ホント久しぶりだよね。そんな軽い気持ちでランチに出掛けたのだが。
4年ぶりに再会を果たした彼女から、「まだタカシさんのこと好きだよ」などと告げられる。

平穏な生活に退屈していると、一つの出来事をきっかけに急に多くの予定が入っててんてこ舞い。
そんな経験は誰しもがあることだろう。
当時の私もちょうどそんな感じだった。

メロンさんとの交際が始まった矢先にスイカ君に出会い、そしてその最中4年ぶりに元彼女と会う…
一つずつ起こればどれも何てことはない話。
それでも、一気に起きると本当にめんどくさいものだ。

何事もタイミングだよなぁ。
改めてそう思う。
仮に、婚活に上手くいってない時期にブドウさんから誘われたら。
また、ランチではなく晩御飯だったら。

もしかしたら、不倫のお誘いに乗っていたかもしれない。

すいません。結論からいうと、この後は特に何もありませんでした。
オチの無い話でホント申し訳ない。

「いや、悪いけどそれは無理だよ」
「この先どうするかは好きにすればいいけど、別れるなら別れるで、ちゃんと話をした方がいいよ」
「不倫騒動に巻き込まれるのは、正直御免だ」

そう返す私と、黙り込むブドウさん。
先ほどまでの楽しい雰囲気はどこへやら。

ふー、来るんじゃなかったな。
一気にテンションが下がった私は「そろそろ行こうか」と促すのだが。

目の前でブドウさんはしくしくと泣き始めてしまった。
マジかよ…

それから、実に切なく無意味な時間が1時間以上流れ。
ようやく解放された私は家路につくのであった。

泣きたいのはコッチの方だよ。
たぶん、ブドウさんと会うことはもう二度とないだろう…
昔付き合っていた女性と会ってもイイことなどほとんどない。
そんな普通の教訓が身に染みる日曜日の午後であった。