リンゴさんとの出会いから、何だかやる気を取り戻した私。
三度（みたび）ブライダルネットに登録を済ませ、猛然とアプローチを開始する。

東京に住む私は、これまで関東中心にお相手を探していたが。
いや、遠距離恋愛でも問題ないよね。
そう思い直して、対象を全国に拡げることにしたのだ。

「彼女を作るなら、別に東京じゃなくてもいいんじゃない」

そんな、リンゴさんの一言が影響したのだろうか。
交通費は多少必要だけど、福岡でも札幌でも飛行機で2時間とかからないもんね。

そうしてバンバンあいさつを送っていると。気付いたら9名の方と同時にやりとりさせて頂くことに。
うん、最初からこうしておけば良かったな。
なんて反省しつつ、頑張ってメッセージ交換を続ける私だった。

ちなみに。
9名も同時になんて大変なんじゃ。
そう思う方もいるかもしれないが、サイト内のメッセージ交換に限れば全然問題ない。
同じ時期にやりとりしていると、ほぼ同じような内容でいけてしまうからだ。
1人の方とやり取りする労力を「１」とすると、9人の方とやり取りする労力は「９」ではなく、せいぜい「２か３」くらいのもの。

永らくネット婚活を続けていると、一週間で飛び交うＱ＆Ａなんて全て出尽くしてしまうと言っても過言ではない。
（まぁ、全然自慢にはならないのだが…）

しかし一方で、個人メールやＬＩＮＥのやりとりとなると話は別。
さすがに9人もの女性とＬＩＮＥしていると、仕事に支障をきたしてしまう…
そこは上手く見極めないといけないな。

そんな風に思いながらも、いいなと思える女性には次から次へとアプローチを続けていく私。
そうして週末は、お茶や食事のために全国を飛び回るのであった。

そうこうしている内に。
ようやく一人、気になる女性と出会うことになる。

福岡在住のカシスさん（34歳）。
身長172cmで、お写真ではモデルさんのように綺麗な方だった。
小柄な女性がタイプの私としては「ど真ん中のストライク」とまでは言えないものの。
とても楽しくメッセージ交換出来たため、博多まで飛ぶのに何の躊躇もなかったものだ。

まずはお茶でも。そうお誘いしてみると。

「せっかくこちらまで来て頂けるのですから、良かったらお食事でも行きませんか」

そんな返答が。
喜んで。そう返して、早速お店を探す私。

「初対面の女性を口説くのに、最適なお店を教えやがれ」

福岡に住む友人にそうお願いすると。
博多駅から徒歩圏内にある「鉄板焼き屋さん」を紹介してもらう。
ありがとう。君は食べログ先生よりも頼りになるよ。
やっぱり持つべきものは友ですなー。

そうして待ち合わせ当日。
羽田から博多へと向かった私は、ドキドキしながらカシスさんとの初対面を果たす。

（うわー、めっちゃ可愛い人だなぁ。）

やや緊張した面持ちで出迎えてくれた彼女は。
オグシオペアの片割れ、小椋久美子さん似の美人さんであった。