後輩の無茶ぶりで、会ったこともない男性の婚活指南を頼まれた私。
仕方なく婚活用のプロフィールに目を通すと…これはかなりヤバイ。
そう思って関わることを拒絶したのだが。

なぜか本人から直接メールが届いて本当に困惑させられる。
それもやたらと長文で…
要約するとこんな感じだった。

・レイコさんにアドレスを聞いた。
・突然連絡してしまい申し訳ない。
・自分の至らない点をぜひ教えていただきたい。

文中では繰り返し何度も「申し訳ないのですが」と綴られている。
いや、申し訳ないと思ったらこんな気持ちの悪いことは勘弁してほしい。
心底そう思ったものだ。

そして当人よりも、むしろ勝手にアドレスを教えた後輩レイコへ憤りの気持ちが強くなる。
もう何もしない方がいい。
そう思って放置しておいたのだが…

後日、別の後輩カズミからの着信が。
おいおい、どうなってるんだ。そんな思いで電話に出ると、案の定この件だった。

「急にごめんなさい」
「レイコの件で話があって」

うんざりしながら話を聞いて、ちょっと驚かされる。
スイカ君はレイコのお兄さんだった…
おいおい、そういうオチですか。

実の妹に向かって、たしかに変なことを言ってしまったと反省する私。
そういうのは先に言ってくれよ…

そんな申し訳ない気持ちも手伝って、結局スイカ君に会ってみることになった。
スイカ君とレイコ、そしてなぜかカズミも。
ちなみにカズミは、私が大学時代に想いを寄せていた女性でもある。
今は既に結婚して子供も居るから、何がどうってわけではないものの、久しぶりに会ってみたい気持ちもあったのが正直なところだ。

主婦に気を遣い、週末の昼間に少しだけ。
そうして会ったスイカ君は、実に大人しい純朴そうな男性であった。