メロンさん⑨金銭感覚がおかしい?
仕事帰りにメロンさんと初めての食事に行くことに。
串揚げを食べたいというリクエストで、メロンさんおすすめの店へ向かった私達。
到着したのはなかなかに格式高そうな雰囲気の良店だった。
まあ二人で3万円ってところか。
安くはないが、銀座で食事をするのだから想定内といった感じ。
メロンさんとの初回の食事ということもあって、この時は特に変には思わなかったものである。
いや、私の金銭感覚もたいがいおかしいのだろう。
今はそう本当に反省している。
とにもかくにも初めての食事は本当に楽しい時間だった。
意外と飲めるメロンさん。
飲むほどに艶っぽくなっていき、隣に座りながらドキドキしていたものだ。
二人の距離もだいぶ縮まったように感じられる。
そんな高揚感ゆえに、想定以上のお会計でも何の問題もない。
店を出て夜風に吹かれながら、能天気な私は全然気付いていなかった。
御馳走したことへのお礼など一言もなかったことに。
「美味しかったー」
「土曜日はしゃぶしゃぶがイイな♪」
そう笑顔で話すメロンさんに対し、
「良さそうなお店を予約しておくね」と更に能天気に答えたのであった。