カシスさんに告白をして、逆に不倫の告白を受けてしまった私。
それ以上もう何もなく、博多を後にした数日後のことだった。

「で、どうだったの？」

リンゴさんからそんなＬＩＮＥが届く。
「思いっきり振られたわ」仕事中だった私は、簡潔に一言だけ返すと。
「詳しく聞かせなさいよ」と追撃される。
あーもう面倒くさい。今忙しいんだよ。悪いけどまた今度な。
そう返した私は、すっかりリンゴさんのことなど放置していたのだが。

ブライダルネットで出会った女性の一人と、大阪でお茶をすることになる。
正直あまり気乗りする相手ではない…
それでも、カシスさんとも終わってしまい再び暇人になってしまった私は、無理して出掛けることにしたのだった。

「今度大阪行くから、良かったらお茶でもするか？」

そうリンゴさんにＬＩＮＥで伝えると。
すぐに既読になり、そしてすぐに返信が。

「じゃあご飯でも行こうよ♪」

おいおい、お前まだ仕事中だろ。ちゃんとお客様を接待しやがれ。
そんないつも通りのやりとりの末に、久しぶりに会うことになった私達。
母親と同居している彼女。お子さんの面倒はお母さんに頼むと言っているが。
良かったら連れてくれば。一度見てみたいし。
私が何気なく放った一言で、「じゃあ連れていくね」となる。
小さい子供を抱えて出てくるのは大変だろうと、彼女の自宅そばで待ち合わせにした私達であった。

そして当日。
初めて会う女性は…残念ながら先に繋げたいと思える方ではなく。
まぁそんな上手くいかんわな。
そう思いながらリンゴさんの元へ向かうと。
2歳になる彼女の娘さんは、宝石の如く可愛らしい女の子で本当に驚いた。
うわっ、めっちゃ可愛い！！一目見てメロメロになってしまう。

「えーと。私に会いに来てくれたんじゃなかったっけ？」

そう冗談めかしてむくれる彼女を無視しつつ。お子さんを抱きかかえてご満悦の私だったのである。